こんにちは、かまぼこです。
今回の映画は、2001年ベルギー・フランス・オランダ合作の「ポーリーヌ」です。
知的障害がある次女を中心に、人生の終盤に差し掛かった高齢の4姉妹の物語です。
つまり、高齢のきょうだい児問題ですね。
美しい映像とクラシック音楽の中で、ユーモアを交えながら、それぞれの人生に向き合います。
障害のあるなしに関わらず、みな平等に訪れる死。
長女の死が、残された姉妹にとっても大きく影響します。
人生の終盤に、自分は何を望み、そして何が一番大事なのか。
重たいはずのテーマなのですが、美しく軽やかに進んでいく不思議な映画です。
知的障害のある次女は、見た目はおばあちゃんですが、心はまるで少女のようです。
邦題は”ポーリーヌ”ですが、原題は、”ポーリーヌ & ポーレット”。
つまり、次女ポーリーヌと三女ポーレットが主人公です。
また、ベルギーの公用語は、オランダ語、フランス語、ドイツ語だそうです。
日本人からしたら何ともややこしいですが、知的障害を超えて、言語での意思疎通の難しさをユーモアに表現しています。
テーマは重いですが悲壮感はなく、美しい映画です。
登場人物
ポーリーヌ(ドラ・ファン・デル・フルーン)
四姉妹の次女。
知的障害を持つ66歳の女性。
ベルギー、ゲント近郊のロクリスティで、姉のマルタと一緒に生活をしている。
ポーレット(アン・ペーテルセン)
四姉妹の三女。
オペレッタ(喜歌劇)に出演する傍ら、洋品店を営んでいる。
セシール(ローズマリー・ベルグマンス)
四姉妹の四女。
ブリュッセルでフランス人の恋人アルベールと一緒に暮らしている。
マルタ(ジュリアンヌ・デ・ブロイン)
四姉妹の長女。
ポーリーヌの世話をしながら一緒に生活をしている。
アルベール(イドビグ・ステファーヌ)
セシールの恋人。
フランス語を話し、オランダ語が分からない。
美術館巡りが趣味。
あらすじ(ネタバレあり)
ネタバレありますよ~!
朝、カーテンを開け、ポーリーヌを起こすマルタ。
ポーリーヌのベッドの脇には、花に水やりをするジョーロが置いてある。
ポーリーヌは起きてベッドに腰かけ、スリッパを履いてジョーロも持つと、ベッドから立ち上がる。
庭に植えてある花に、歌を歌いながら水やりをするポーリーヌ。
マルタが庭にいるポーリーヌに「朝食の時間ですよ。」と声を掛ける。
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朝食の時間。
マルタ「ジャム?それともチョコ?」
ポーリーヌ「チョコ・・・ジャム!」
マルタがビンからジャムを出し、ポーリーヌのパンに塗ってあげている。
ポーリーヌがパンを一口食べると、「花に水をあげる。」と言って席を立つ。
マルタが「その前に肉を買ってきてほしい。」とポーリーヌにお使いを頼む。
マルタがお使いの品をメモに書いている。
ポーリーヌがふと自分の靴を見ると、靴ひもがほどけている。
ポーリーヌ「マルタ、靴のひもが!」
マルタは、屈んでポーリーヌの靴ひもを結びなおしてあげる。
「真っ直ぐ帰ってくるのよ」と言ってお使いのメモをポーリーヌに渡す。
ポーリーヌはオウム返しに「まっすぐ帰る」と言いながら、お使いに出かける。
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ポーレットの洋品店の前に立ち、ショーウィンドウから中を覗き込むポーリーヌ。
店の中は、赤やピンクの生地・ドレス・花が華やかに飾ってあり、ポーリーヌは嬉しそうに眺める。
店の2階を見上げながら「ポレット!」と大きな声で呼ぶポーリーヌ。
ポーレットは、華やかな装飾の寝室で化粧をしていたが、ポーリーヌの声を聞くと大きな溜息をつく。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
お肉屋さんにて。
ポーリーヌは店の女性に財布を渡す。
店の女性は、慣れたように財布からメモを出し、注文を確認し準備する。
ポーリーヌは、カバンからポーレットの写真が載った新聞の切り抜きを出す。
店の女性に、ポーレットが出演するオペレッタ(喜歌劇)の写真だと紹介する。
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お肉屋さんの帰りに、またポーレットの店を覗き込むポーリーヌ。
店の中では、接客をするポーレット。
店の中へ入っていくポーリーヌ。
店にマルタから電話がある。
ポーレットは、ポーリーヌが店に来ると迷惑だと言い、マルタに注意する。
接客しながら、商品を包装紙でラッピングをするポーレット。
赤いバラが印刷された、きれいな包装紙を嬉しそうに眺めるポーリーヌ。
ポーリーヌは、ポーレットに近づいて行く。
ポーリーヌ「紙をもらっていい?」
ポーレット「今、忙しいんだからジャマしないでね。」
ポーリーヌ「アルバムに貼りたいの。」
仕方なくポーレットは、包装紙を少しポーリーヌに分けてあげる。
そして、早くマルタのもとへ帰るように促す。
ポーリーヌは満足して、包装紙をもらうと「ありがとう」と言って帰っていく。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
マルタの家。
ナイフとフォークを決まった位置に置くポーリーヌ。
ナイフとフォークの間にアルバムを広げ、包装紙を嬉しそうにマルタに見せる。
アルバムには、花の写真の切り抜きが貼ってある。
マルタ「店には行くなと何度も言ったのに。」
ポーリーヌ「ポレットは、私の妹。」
マルタ「私だって、あんたの姉。ここが、あんたの家よ。」
包装紙をちぎって、アルバムに貼っていくポーリーヌ。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ポーレットの店にて。
ポーリーヌが慌てて入って来る。
ポーレットは、うんざりした顔をする。
ポーリーヌ「大変だよ!来て!」
ポーレット「ダメよ、行けないわ!今、忙しいの。」
ポーリーヌ「カップが割れたの!マルタが寝てる、床で!」
それを聞いて、慌てるポーレット。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
マルタの家にて。
割れたカップを拾うポーリーヌ。
床に倒れているマルタ。
ソファに座り、悲しみに打ちひしがれているポーレット。
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マルタを載せた車が去っていく。
ポーレットが葬儀の打ち合わせをしている。
タクシーで四女のセシールが来る。
葬儀の打ち合わせが終わり、ポーレットが席を立つと、ポーリーヌは自分の席を取り返すように急いでポーレットが座っていた椅子に座る。
セシールは、ポーリーヌとの久しぶりの再会を喜ぶ。
ポーリーヌの反応を心配するセシールは、ポーレットに確認する。
ポーレット「(ポーリーヌは)わかってないわ。母さんの時と同じ。」
ポーリーヌ「母さんは、ベッドで死んだの。」
ポーリーヌの今後を話し合おうとするセシール。
ポーリーヌはポーレットの店が気に入っている。
セシールは、ポーレットの店に泊めたらと提案するが、オペレッタの稽古が毎晩あるからダメだとポーレットは断る。
葬式が済むまでは、セシールはマルタの家に泊まるそうなので、その間は、セシールが面倒をみることになった。
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夜、ベッドでアルバムに貼ってあるポーレットの写真を見ながらポーレットに思いを寄せるポーリーヌ。
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朝、セシールがポーリーヌの朝食の準備をしてくれている。
セシールがポーリーヌのいつもの席に座っていることが気に入らず、席を替わってもらうポーリーヌ。
ポーリーヌ「マルタは車に乗って行っちゃった。あんたの車は?」
セシール「私が乗ってきたのはタクシーよ。タクシーに乗れば好きな所に行けるわ。」
ポーリーヌ「ポレットのところ。」
セシール「行き先を伝えれば行けるわよ。」
ポーリーヌ「ポレット!」
そのまま出かけようとするポーリーヌだが、セシールに今は留守だと止められる。
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葬式のお知らせを準備する三姉妹。
封筒に手紙を入れ、宛名を書き、切手を貼っている。
ポーレット「マルタの家が売れたら、海辺のアパートに引っ越したいわ。リゾート地で暮らすの。」
セシール「私はスペインに行くつもり。アルベールと。」
ポーレット「アルベールって誰?」
セシール「言わなかった?ブリュッセルにいるフランス人よ。いい人なの。」
ポーレット「家族が死んだばかりなのに男と旅行を?」
セシール「姉さんだってオペレッタに夢中でしょ。」
ポーレット「遊びじゃないのよ。もうすぐ公演だもの、成功させなきゃ。」
ポーリーヌが拳で切手をドンッと貼る。
セシール「ポーリーヌをどうしても施設に?姉さんと暮らすほうが幸せよ。」
ポーレット「施設は牢獄じゃないわ。偏見を持たないで、職員はすごく親切よ。私の所より、ずっといいわよ。いっそ、あんたが引き取ったらどうなの?」
ポーリーヌが、また拳で切手をドンッと貼る。
ポーレット「静かに!叩かないで。」
セシール「アルベールが反対するわ。」
ポーレット「じゃ、施設に入れるしかないわね。」
ポーリーヌが、またまた拳で切手をドンッと貼る。
ポーレット「やめてったら!!」
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葬式後のレストランにて。
ポーレット「マルタが、私が死んだ時はこの店で会食をって。」
ポーリーヌの今後を心配する参列者。
ポーリーヌ「ポレットのお店に行く。」
参列者「引き取ったら?ポーリーヌはあなたを慕っているわ。」
ポーレット「口を出さないで!」
ポーリーヌ「ポレットと暮らしたい。」
マルタの遺言を預かっている公証人があいさつに来る。
セシール「明日伺います。私はすぐ発つので。」
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公証人がマルタの遺言を読み上げている。
公証人「三人の姉妹が仲良くするよう望みます。この遺言者に書いたことを必ず守ってください。よろしく。 マルタ・ドゥクレルク 1999年7月13日 」
ポーレット「正式な遺言書じゃないわ。無効なのでは?ただの手紙でしょ?」
公証人「公証人の私に託された文書だから効力がある。正式な遺言書ですよ。」
ポーレット「私、またはセシールがポーリーヌの世話を?」
公証人「マルタの財産は三等分されて姉妹に贈られる。ただし条件つきです。二人のどちらかがポーリーヌを引き取って面倒をみること。」
ポーレット「でも私たち施設に預けるつもりなんです。」
セシール「でも!」
ポーレット「仕方ないでしょ。あんたが引き取る気がないんだから。」
セシール「あら、姉さんだって!」
ポーレット「施設に入れるわ。そうするのが一番よ。」
公証人「ご自由に、施設でも構わない。要するにマルタの望みは、ポーリーヌが手厚く世話されて、幸せに暮らすこと。施設でも可能だ。その場合、遺産は全部ポーリーヌのものに。」
ポーリーヌ「わかんない!」
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ポーレットのお店。
葬儀が終わり、ポーリーヌとポーレットが戻ってくる。
ポーリーヌは嬉しそうにしている。
ポーリーヌ「私、ここに住むの?」
ポーレット「そうよ、しばらくはここにね。言っておくけど、店に置いてある物には触らないでね、いい?」
ポーリーヌ「うん。」
ポーレット「お客さんがいる時は、店に来たらダメよ。」
ポーリーヌ「うん。」
ポーレット「笑わないで、私は本気で言ってるんだからね。」
早速、お気に入りのバラ柄の包装紙を持っていくポーリーヌ。
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色とりどりの花々に、いつものようにジョーロで水をあげているポーリーヌ。
ポーリーヌのアルバムは花柄で埋め尽くされている。
ポーレットがお店で接客する傍らに、ポーリーヌも嬉しそうにアルバムを広げて接客の手伝いをしている。
ポーレットが化粧台で香水をつける様子を嬉しそうに眺めるポーリーヌ。
花に水をあげたお礼にワッフルやジュースをもらい、堪能するポーリーヌ。
ポーレットのお店の花柄のシャツをもらい、嬉しそうに花に水をあげるポーリーヌ。
ポーリーヌの幸せな日々が過ぎていく。
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ポーレットの店で、花柄のシャツを着てポーレットの横で接客の手伝いをするポーリーヌ。
お客さんが帰っていくとポーレットは、険しい顔でポーリーヌに「店に来ちゃだめよ」と言う。
ポーレットがポーリーヌにお金を渡して、お遣いを頼む。
ポーレット「シチューのパイ包みを買ってきて。それからステーキもね。100フランよ。」
ポーリーヌ「靴のひもが!」
ポーレット「結べないの?そんなに低く屈めないわ。」
前はマルタに靴ひもを結んでもらっていたが、ポーレットは体が大きくて屈めない。
ポーレットは脚立を出してきて「ここに乗りなさい。」とポーリーヌに言う。
ポーレットが靴ひもを結ぶと「今日はオペレッタの初日だから、すぐ戻ってね。」と言ってポーリーヌを送り出す。
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お肉屋さんにて。
ポーリーヌ「パイ包み ステーキ。」
店の女性「メモはないの?」
ポーリーヌ「パイ包みのステーキ。ポレットは、初日。」
店の女性「ステーキをパイで包んだりしないわよ。」
ポーリーヌ「ポレットが作る。」
店の女性は腑に落ちない様子で、とりあえずステーキを準備している。
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ポーレットの家にて夕食を摂っている2人。
ポーレットは無言で、大きなステーキとパンを食べている。
ポーリーヌ「切って!マルタみたいに。」
ポーレットが飽きれた様子で、ポーリーヌのステーキを切ってあげる。
ポーリーヌ「出かける?」
ポーレット「言ったでしょ。オペレッタの初日よ。」
ポーリーヌ「私も一緒に行く。」
ポーレット「ここで留守番してなさい。誰かが来ても開けちゃダメよ。」
ポーリーヌ「一緒に!」
ポーレット「ダメだって言ったでしょ!食べて、早く帰るから。」
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ポーレットが車に乗ってオペレッタに出演するために、出かけていく。
ポーリーヌは、店の中からその様子を確認すると、いつものポーレットをマネして、バラ柄の包装紙を出して商品を包む。
ポーレットのように上手に包むことはできないが、それでも満足するポーリーヌ。
次にポーレットの寝室へ行き、化粧台に置いてある香水を自分に吹きかける。
眠れないポーリーヌ。
ポーレットが帰宅し、ポーリーヌの寝室に行き小声で「もう寝た?」と聞く。
ポーリーヌは、寝たフリをして返事をしない。
ポーレットが寝室のドアを閉めると、ポーリーヌは安心して笑う。
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朝食の時間。
ポーリーヌがパンを袋から出し、ポーレットを見て待っている。
ポーレット「何を待っているの?食べたら?」
ポーリーヌ「手伝って。」
ポーレット「教えるからやってみなさい。」
ポーレットはポーリーヌの手を持ち、バターやジャムの塗り方を教えてあげる。
パンを半分に折って、真ん中をナイフで切る。
ポーレットがポーリーヌの香水の匂いに気が付く。
ポーレット「私の香水を使ったわね。寝室には入らないでよ。いい、約束は守って。」
また、ポーレットがポーリーヌにお遣いを頼む。
ポーリーヌが間違えないように、買い物の内容をメモに書くポーレット。
ポーリーヌ「オペレッタに行きたい。」
ポーレット「いい子なら連れていく。」
ポーリーヌ「いい子よ。」
ポーレット「それなら、まず買い物に行って。」
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お肉屋さんにて。
ポーリーヌ「ソーセージ、サミリ。」
店の女性「今、何と?」
ポーリーヌ「サミリ。」
店の女性「サラミ。本当に?」
ポーリーヌは、ポーレットが書いてくれたメモを差し出す。
店の女性はメモを確認し、商品を準備する。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ポーレットの家。
お遣いから戻ってきたポーリーヌ。
ポーレットが接客する声が聞こえる。
ポーリーヌは、そっとポーレットを覗く。
ポーリーヌ「私、いい子でしょ?」
ポーレットはそれを聞き、少し微笑む。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
夜、ポーレットの家にて。
ポーリーヌ「(オペレッタに)連れて行ってくれる?」
ポーレット「ええ、いいわよ。」
喜ぶポーリーヌ。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
オペレッタに向かう車の中。
ポーレットが運転し、ポーリーヌは助手席に座っている。
車の中にある木の形をした芳香剤が気になるポーリーヌ。
ポーリーヌ「木!」
ポーレット「触らないで。」
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
オペレッタの会場。
皆が舞台の準備をしている。
ポーレットはポーリーヌを観客席に案内する。
ポーレットが舞台でリハーサルをしている姿を微笑みながら眺めるポーリーヌ。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
オペレッタ本番前の控室。
ポーレットが衣装のドレスを身に着け、化粧をして準備をしている。
ポーリーヌ「ここ(ドレスの後ろのファスナー)が開いている。」
ポーレット「閉まらないのよ。さあ、座って。」
控室から出ようとするポーレット。
それを見て立ち上がるポーリーヌ。
ポーレット「ダメよ。大人しくここで待ってなさい。私の声が聞こえるわよ。あのスピーカーからね。そこに座っていなさい。」
ポーリーヌは、再び椅子に座る。
スピーカーからポーレットの声が聞こえる。
ポーレット「ポーリーヌ、聞こえる?舞台の上にマイクがあるの。だからセリフも歌も聞こえるわ。そこに座っててね。動かないでよ。わかった?」
マイクに向かって話しかけるポーレットを不思議そうに見る舞台関係者達。
ポーリーヌ「うん!」
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
オペレッタが始まる。
スピーカーから聞こえてくる歌声。
ポーレットの歌声が聞こえてくると微笑むポーリーヌ。
ふと自分の靴を見るポーリーヌ。
靴ひもがほどけているのを見てポーリーヌが立ち上がり、控室から出ていく。
舞台にいるポーレットは舞台袖にいるポーリーヌに気が付く。
ポーレットは必死に目で舞台に出てこないように合図するが、ポーリーヌは舞台に出てきてしまった。
観客は、その様子に笑い出してしまう始末。
ポーリーヌ「ポレットは妹!」
ポーレットは、怒りを抑えている。
舞台全体が爆笑となってしまった。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
セシールの家に向かう車の中。
ポーレットが運転をし、ポーリーヌが助手席に座っている。
渋滞でクラクションが鳴り響いている。
クラクションの音に驚き耳を塞ぐポーリーヌ。
イライラしているポーレット。
ポーレット「私の手には負えないわ。やっぱり一緒に暮らすのはムリよ。セシールに引き取ってもらうわ。ねえ、聞いているの?」
耳を塞いで外を見ているポーリーヌ。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
セシールの家。
ポーレット「あんたの番よ!」
セシール「来る前に電話ぐらいしてよ。」
ポーレット「電話したら、あんたは男と逃げるでしょ?私にだって自分の人生を楽しむ権利があるわ。」
セシール「姉さんが面倒みるはずじゃ?」
ポーレット「なぜ私だけが犠牲に?あんたが引き取って。」
セシール「困るわ、彼がいるのに。」
ポーレット「じゃあ言うけど、私にだって店があるのよ。あんたが拒むなら、ポーリーヌは施設に入れるわ。私の所はムリよ。」
セシール「でも遺言書は?」
ポーレット「遺言書には、”姉妹の一人が面倒をみる”と。あんたにも義務があるのよ。」
セシール「こんな狭い所に、どうやって?」
ポーレット「私の知ったことじゃないわ。今夜電話するわ。」
そう言ってポーレットはポーリーヌを置いて帰ってしまった。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
夜、セシールの家。
セシールとアルベールがソファに座ってテレビを見ている。
そこへポーリーヌがパジャマ姿でやってくる。
ポーリーヌ「疲れた。」
セシールがアルベールに、ポーリーヌがもう寝たいと言っているので、向こうの部屋に行きましょうと言う。
アルベールはテレビに夢中で、もう少しと言ってソファから移動しようとしない。
セシールは「すぐに終わるから。」とポーリーヌに言う。
そのまま立っているポーリーヌ。
仕方なくセシールは、ポーリーヌの寝具を準備をする。
アルベールはテレビを見ながら、ソファから別の椅子に移動する。
セシールは毛布と枕を出し、ソファの上に広げる。
ポーリーヌは、ソファの即席のベッドで横になるがテレビがうるさくて眠れない。
セシールは、テレビと照明のスイッチを切る。
アルベールが不満気となる。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
次の日の朝。
セシールとアルベールは朝食を摂っている。
そこへポーリーヌが来る。
ポーリーヌが「靴ひも。」と言ってセシールの椅子に足を乗せる。
アルバールはフランス語で「何やっている?何のマネだ?」と言う。
セシールは靴ひもを結んであげながらポーリーヌに「椅子に靴を乗せてはダメよ。」と伝える。
大きな溜息をつくアルベール。
セシール「パンにチョコ?」
ポーリーヌ「チョコ!」
セシールがパンにチョコを塗って、ポーリーヌに渡す。
アルベール「世話が焼ける。」
セシール「今日は何したい?」
ポーリーヌ「ポレットの所。」
セシール「好きなことは?」
ポーリーヌ「ポレット。」
アルベールは、「今日は美術館に行く約束だろう。」とセシールに言う。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
美術館にて。
3人で美術館に来ている。
アルベールが美術品に夢中になって、セシールにフランス語で説明している。
アルベールが話している間にポーリーヌがいなくなってしまう。
セシールは慌てて探しに行く。
ポーリーヌは、美術館のソファで知らない人の真横に座っている。
セシール「よかった、どこへ行ったかと。もう飽きた?」
ポーリーヌ「わかんない!」
セシール「何が?」
ポーリーヌ「アルベール。」
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
おしゃれなレストランで、昼食を食べる3人。
ジュースを一気飲みするポーリーヌ。
ジュースに入っている氷を”石”と表現するポーリーヌ。
アルベールとポーリーヌは、お互いの言葉が通じず理解できない。
アルベールはフランス語、ポーリーヌはオランダ語しか話せない。
アルベールは「うんざりだ、何を言っているか分からない。」とセシールに言う。
セシールは「お互い様よ。ポーリーヌもそう言っているわ。」と笑う。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
夜、フラワーカーペットの祭典に行く3人。
大広場の一面に花がカーペットのように敷き詰められている。
花が大好きなポーレットはとても喜んでいる。
アルベールは対照的に人混みが苦手な様子でイライラしている。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
夜。
セシールとアルベールの寝室にポーリーヌが入ってくる。
ポーリーヌ「眠れない。ここで。」
ポーリーヌはセシールと一緒に寝たいと言う。
アルベールは、怒りながら寝室を出ていく。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ポーレットにフラワーカーペットで撮ったポーリーヌの写真を送る準備をしているセシール。
メモにポーレットの住所を書く練習をしているセシール。
ポーリーヌは一緒に住所を思い出しながら、嬉しそうに眺めている。
セシールはメモをぐちゃぐちゃにして捨てるが、ポーリーヌはそのメモを大事そうに拾う。
アルベールの美術の本が机の上に置いてあり、それを見るポーリーヌ。
ポーリーヌはお気に入りの包装紙を破るように、その本の1ページを破ってしまう。
それを見てアルベールが大きな声でポーリーヌに怒る。
アルベールは「もう我慢できない、限界だ。」とセシールに言う。
ポーリーヌは、アルベールが怒っている最中でもあるのに関わらず、今度はオルゴールを鳴らす。
ポーリーヌは、アルベールにまた怒鳴られ、セシールからも注意される。
ポーリーヌは、アルベールの大きな声に驚く。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ポーリーヌは、ソファで寝ながらポーレットの家の住所が書かれたメモを握りしめながらオルゴールで”エリーゼのために”鳴らしている。
ふと棚の上に置いてある財布に目をやるポーリーヌ。
ポーリーヌは財布からお金を抜き取り、そのまま外出してしまう。
フラワーカーペットの祭典があった広場に行ってみるが、そこにあった沢山の花は片付けられてしまっていた。
タクシーの窓をたたくポーリーヌ。
タクシーの運転手にポレットの家と言いながら住所が書かれたメモを渡す。
タクシーに乗り、ポーレットの家を目指すポーリーヌ。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ポーレットの店にて。
ポーレットが店番をしていると、ポーリーヌが入って来る。
ポーレット「どうしてここに?」
ポーリーヌ「花を見たよ。セシールと一緒にクレープ食べたの。アルベールが怒ってる。セシールにこれ(オルゴール)をもらったの。音楽だよ。」
ポーレット「どうやって、ここに?」
ポーリーヌ「タキシー(タクシー)」
ポーレット「セシールは?」
ポーリーヌ「家に。」
ポーレット「ポーリーヌ、勝手なマネしちゃ困るわ。もう振り回されるのはイヤ。セシールも無責任ね。一体どういうつもり?」
そこへセシールから電話が掛かってくる。
ポーレットはポーリーヌが店に来ていることを伝える。
ポーレットが黙って家を出たことは初めてで、セシールにはもう任せられないと。
電話の最中、お構いなしのポーリーヌはお気に入りのお店の包装紙を破り取っていく。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
障害者施設にて。
入所者が手紙に絵を描いている。
ある入所者が靴のマジックテープを貼りなおしている。
その様子をじっと見ているポーリーヌ。
ポーレットは、施設での活動について職員から説明を受けている。
入所の手続きをするポーレット。
施設の職員に、お気に入りの包装紙の切れ端を渡すポーリーヌ。
入所は空室の順番待ちであることを伝えられるポーレット。
順番待ちは3か月以上と聞き、驚くポーレット。
ジュースの中の氷を”石が入っている”と言いながら、出されたジュースを飲み干すポーリーヌ。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
施設からの帰り道。
ポーリーヌ「お店に住みたい。」
ポーレット「施設に入れば、すごくいい部屋がもらえるわ。」
ポーリーヌ「欲しくない。」
ポーレット「庭の花に水をやる楽しみもあるわ。」
ポーリーヌ「やりたくない。」
夜、不安を感じながら眠るポーリーヌ。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
海辺のアパートの下見するためにビーチを歩くポーレットとポーリーヌ。
ポーリーヌ「靴のひもが!」
また、靴ひもがほどけてしまっている。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
靴屋さんにて。
靴ひもがない革靴を選ぶポーレット。
ポーリーヌはダメだと言い、マジックテープの運動靴を指さし、あれがいいと伝える。
ポーリーヌは、運動靴を履いてマジックテープを貼りなおし、「コレ!」と言う。
ポーレットも納得し購入する。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
海辺のアパートを下見するポーレットとポーリーヌ。
不動産屋「早く決めないと、すぐ売れてしまいますよ。」
ポーリーヌ「見て、ポレットがくれた新しい靴。」
不動産屋は、ポーリーヌに何も答えない。
不動産屋「裏に浴室がありますよ。」
ポーレット「狭いわね。この値段ならもっと豪華かと。」
不動産屋「一等地ですから。」
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
海辺のレストランにて。
ポーリーヌ「石が入ってる。」
ポーレット「それは氷よ。コーラを冷やすためなの。」
ポーリーヌ「この家、寒いね。」
ポーレット「家じゃなく、アパートよ。」
ポーリーヌ「パパート。」
ポーレット「ここに住むの。よければヴァカンスに来てよ。ねえ、聞いてる?」
ポーリーヌ「うん。」
うれしそうではない様子のポーリーヌ。
~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~
ポーレットのお店にて。
店のショーウィンドウに”閉店セール”のポスターを貼るポーリーヌ。
お肉屋さんの女性が、店でボタンを探している。
ポーリーヌは、脚立に乗りながら商品の箱を整理している。
お肉屋さんの女性「もう会えなくなるわね。寂しいわ。施設に入るんでしょ?」
ポーリーヌ「入らないよ、ずっとここにいる。」
お肉屋さんの女性「一人ぼっちで、この店に?」
ポーリーヌ「一人じゃない、ポレットと。」
お肉屋さんの女性「それはムリよ。だってポーレットは店を閉め、よその町へ行くのよ。」
ポーリーヌ「ウソだ!そんなこと絶対にさせない!」
お肉屋さんの女性「怒らなくてもいいでしょ。嬉しくないの?海辺の家にヴァカンスに行けるじゃない?」
ポーリーヌ「行きたくない!ずっと、ここにいる!」
ポーリーヌは、そう言うと持っていた商品の箱を落としてしまう。
そこへポーレットが店の奥から焦ってやってくる。
ポーレット「下りなさい、ポーリーヌ。落ちたら大変よ。気を付けて、一体どうしたのよ?」
お肉屋さんの女性「急に怒って。」
ポーレット「座って、そんなに興奮しないでよ。」
お肉屋さんの女性「怒ってもムダよ。」
ポーレット「何の事?」
お肉屋さんの女性「彼女に話を。」
ポーレット「ポーリーヌが傷つくようなことを?」
お肉屋さんの女性「言わないわよ。」
ポーレット「トボケないで。聞こえたわよ。意地が悪いんだから!」
お肉屋さんの女性「ごめんなさい。」
ポーレット「あら、そう!」
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家で朝食の準備をしているポーレットとポーリーヌ。
ポーリーヌはポーレットのパンも用意し、以前は自分で出来なかったバターやジャムをパンに塗っている。
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公証人の前。
ポーレット「私、よく考えて決心しました。姉の面倒はみません。財産の相続を放棄します。お金は要りません。」
セシール「そんな!私に相談もなく。」
ポーレット「マルタみたいに献身的な世話はできないわ。」
セシール「だけど・・・」
ポーレット「あんたは黙ってて。エラそうな口きく資格ないわ。家族を捨てて都会へ行ったくせに勝手よ。遺産だけは取りに来る。」
セシール「金目当てだと?」
ポーレット「それ以外、何がある?」
セシール「私の意見も聞いてよ。」
公証人「そうですね、じっくり話し合ったほうがいい。」
セシール「私、無視されてる。いつもそうよ、私の言うことに耳を貸さない。一人で頑張ってね。帰ります。ご勝手に、私はもう口を出さないわ。」
そう言うとセシールは帰ってしまった。
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ポーレットの最後のオペレッタの公演。
ポーレットのキャリアは30年もあるそう。
ポーリーヌは、控室のスピーカーからではなく、観客席から舞台を観ている。
司会者がポーレットの長年の活躍を労っている。
ポーリーヌ「ポレットは私の妹!」
そう言うと、会場は温かい笑いに包まれる。
ポーレットは以前のように怒ってはなく、舞台から笑っている。
ポーリーヌも嬉しそうに笑っている。
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最後の公演が終わり、舞台上で寂しさを感じるポーレット。
念願の海辺のアパートに越したポーレット。
冬の寒さの中、海辺のベンチで1人で海を眺めている。
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1人でアパートで荷ほどきをしているポーレット。
お気に入りの陶器の人形を出すが、お店では美しく可憐に見えた人形の顔が、ここでは、気のせいか寂し気な様子に見える。
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施設で暮らすポーリーヌ。
施設での創作作業に興味が湧かないポーリーヌ。
職員さんがポーレットの誕生日に花のカードを送ろうと言うと、カードに色を塗り始めるポーリーヌ。
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海辺のレストランで1人食事をするポーレット。
好きなシチューのパイ包みを注文するが、世間話にのらない素っ気ないウエイターが対応する。
ポーレットが、ふと隣の席を見ると、コップに入った氷が目に入る。
ポーレットは、ポーリーヌが氷を”石”と言っていたことを思い出し、1人で思い出し笑いをする。
その様子を不思議そうに見る周りの客。
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施設でカードの花に色を塗っているポーリーヌ。
切手を収集している入所者の男性が話しかけてくる。
ポーリーヌは、返事をしない。
男性が、切手をカードに拳でバンと音を立てて貼り付ける。
マルタの葬儀の準備の切手貼りで、自分が怒られたことを思い出したポーリーヌ。
ポーリーヌ「静かに!ポレットが怒るよ。」
男性「君、ポレット?」
ポーリーヌ「私じゃないよ。私の妹なの。」
花に色を塗っているポーリーヌを見て、花の切手を差し出す男性。
ポーリーヌは、切手を受け取る。
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海辺のアパートに友人達を招いて、お茶をしているポーレット。
友人達は、噂話で盛り上がっているが、ポーレットは気が乗らない様子。
友人の1人がポーリーヌが作ったカードに目が留まる。
ポーレットは、カードについて説明しようとするが、噂話で話が流れてしまう。
友人達といるにも関わらず、寂しげなポーレット。
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施設で入所者の男性とポーリーヌが、お互いの趣味を見せ合っている。
男性は、ポーリーヌに花の切手を渡す。
ポーリーヌは、それをアルバムに挟んでいく。
今度はポーリーヌが、花柄の包装紙を男性に渡す。
2人とも楽しそうにしている。
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冬の海辺のベンチに1人で座るポーレット。
ポーリーヌのことを思い出している。
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ポーリーヌがポーレットのアパートに遊びに来る。
海辺のベンチに2人で座って、花の切手が挟まれたアルバムをポーレットに見せているポーリーヌ。
2人は楽しそうに時間を過ごしている。
風が吹き、アルバムに挟まれた切手が飛んでいく。
海辺には鳥が飛んでいる。
ポーリーヌは「鳥だ」と言って立ち上がる。
ポーレットも「鳥ね」と答える。
海辺に飛ぶ鳥を2人で眺めている。
まとめ
今回の映画は、2001年ベルギー・フランス・オランダ合作の「ポーリーヌ」をご紹介しました。
この映画には日本語吹替がありませんでしたが、ポーリーヌのたどたどしい言葉に親近感が湧きました。
アルベールとポーリーヌは言語が違うことで意思疎通ができず、相手を理解できませんでした。
また、言葉が苦手な障害者の歯がゆさを、皮肉をもって接していたお肉屋さんの女性。
障害者を取り巻く社会に対する課題が表現されています。
ポーリーヌは大好きなポーレットと接するうちに、少しずつ成長していきます。
靴ひも問題を解決し、自分で朝食の準備をするようになります。
ポーレットは、仕事を引退し1人になった時、今までの価値観では自分は幸せになれないことに気が付きました。
ポーリーヌは施設で、ポーレットは海辺のアパート、セシールは恋人と。
高齢になり、人生と葛藤しながら、それでも生きていく姉妹。
美しさの中に、人間臭さも感じる素敵な映画です。