こんにちは、かまぼこです。
今回の映画のご紹介は、2011年日本のドキュメンタリー映画のちづるです。
兄が大学の卒業制作として、自閉症の妹と母を撮影しました実在の家族の物語です。
他の映画にはない、圧倒的なリアルな家族の様子が、当事者家族として親近感を抱きます。
今回は、映画ちづるに出てくる、ある動物について考察したいと思います。
動物と触れ合うことで得られる癒し「アニマルセラピー」についてです。
登場人物
- 赤﨑 千鶴
1歳11ヵ月の時に自閉症と診断され、3歳の時に知的障害があることが判明。
中学2年生から引きこもり生活。
映画の中で、20歳を迎える。
- 赤﨑 久美
千鶴と正和の母。夫は、5年前に飲酒運転の犠牲者となり他界。
- 赤﨑 正和
千鶴の兄。立教大学在学中に本作を撮影。
あらすじ(ネタバレあり)
ネタバレありますよ~。
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ホームセンターを訪れる ちづる と母。
ペット売り場で、トイプードルを見ている。
次の瞬間に走り出して、どこかへ行ってしまう ちづる。
追いかける母。
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自宅で、髪の毛の話。
ちづる が髪の毛を自分で切りたいと主張するが、母が「河童みたいになっちゃうよ」と反対。
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大好きな元タレント「大友みなみ」から年賀状が届いたと、喜ぶ ちづる。
しかし、その年賀状は、年賀状が届かないことで不安定になっていた ちづる を心配して、苦肉の策として母が書いたもの。
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パソコンに向かう母。
筆ぐるめの住所録を ちづる が消してしまったので、困っている。
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鏡を見ながら食事をする ちづる。
ラーメンを食べるときは、必ず鏡を見る ちづる。
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兄が母に、撮影を承諾した理由を聞く。
母は、兄が自閉症に興味を持ってくれたからと。
ちづる の引きこもり生活については、困り度がよく分かるから、本人に合う場所が見つかるまでしょうがないと思っていると答える。
兄は、ちづる のことは自分にとっては普通の事なのに、ちづる の話をすると周りの空気が変わることに気が付いてから妹のことは話さなくなったと。
でも、隠すのが嫌になったので撮影することにしたと答える。
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ちづる の20歳の誕生日。
トイプードルの映像を見る ちづる。
お世話をすると言って、楽しみな様子。
犬を飼うことで、ちづる が我慢するがことができるようになるといいなと期待する母。
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自販機で飲み物を買う ちづる。
1本買う約束のはずなのに2本買ってしまった ちづる。
毎日、自販機で使う為に、100円玉をきれいに揃える ちづる。
100円玉は、製造年ごとに揃えられている。
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パソコンで、消してしまった筆ぐるめに住所を入力している ちづる。
パソコンは、養護学校の職業訓練で練習したそう。
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トイプードルが来る前日。
ちづる が不安定になり、トイプードルはいらないと言い出す。
ちづる が虐待してしまうんじゃないかと不安になる母。
いよいよ、トイプードルが家にやってくる。
ちづる は、恐る恐るトイプードルを見ると笑顔で受け入れる。
ホッとする母。
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仕事をするのはどう?と ちづるに聞く母。
仕事やお手伝いに、あまり気が乗らない ちづる。
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12/31に、大友みなみと決別すると決めた ちづる。
会えないと分かっているようで、葛藤している。
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ユニクロに行きたいと言い出す ちづる。
行かないと言う母。
お金を母から奪おうとする ちづる。
母に怒られて、母を叩く ちづる。
母と取っ組み合いになる。
母が100円玉のケースを渡して話題を変えると、冷静になる ちづる。
いつもの自販機で飲み物を買って、落ち着いた ちづる。
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トイプードルとじゃれ合う ちづる。
トイプードルのしつけを ちづる に教える母。
「しつけ」という言葉を覚えた ちづる を面白く思う母。
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義肢装具士の学校に通いたいと母に伝え、就職活動をやめてしまった兄。
母は、兄は手先が不器用だからと反対している。
兄は、決めつけてくる母に言い返す。
母は、兄に頼りたい気持ちと負担を掛けたくない気持ちで揺れ動いている。
母は、携帯を2日間忘れて行って連絡をしなかった兄に不満をぶつける。
父が交通事故に遭って、連絡が取れなかったことを思い出し、心配になると泣きながら伝える。
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トイプードルの散歩に出かける ちづる と母。
穏やかな時間が過ぎていく。
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兄が母に ちづる に障害があると分かった時のことを聞く。
母は、死にたい、どうなっちゃうのか分からないから無理だと思ったと答える。
父は仕事が忙しく、真剣に障害に向き合ってくれなかったから、夫婦で温度差があったと。
しかし、障害児の母たちと出会い、話すことで孤独が癒されていったと。
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養護学校時代の写真を見る ちづる。
兄が母に、障害者施設の面接をしに行ってきたと報告する。
施設で ちづる の話も出て、ずっとこのままで引きこもりの ちづる の将来は厳しいと伝える。
若いうちに何とかしないと年を取ったら大変だと言われたと伝える。
その話を横で聞いていた ちづる が、活動ホームに行くと言い出す。
活動ホームに行く前夜に不安定になる ちづる。
トイプードルに「ホームに行かないって」と話しかける ちづる。
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朝、慌ただしく準備をして、活動ホームに向かう。
作業を終え、活動ホームから出てくると、「もう行かない」と言い出す ちづる。
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ちづる が「障害者が怖い」と言ったと話す母。
兄が、家族以外の人と一緒にいられないことが問題だと。
他にも行ける場所を探すことができないから、居場所がないと心配する兄。
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1ヶ月後、母は故郷の福岡に引っ越すと宣言する。
福岡へマンションを探しに出発する母。
突然に決断に驚く兄。
母は、このままだと ちづる は動かないと決断したと。
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母が福岡に行っている間、ちづる はトイプードルの世話をする。
自分の食事も自分でカップラーメンを用意する ちづる。
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母は、福岡へ行ったその日にマンションを決めた。
母と ちづる とトイプードルは、福岡で生活することになった。
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アニマルセラピー
この映画の中で、トイプードルを飼うシーンがあります。
母は、ちづる が飼いたいと言うまで待っていたそうです。
我が家でも、似ています。
夫や私は、犬が大好きなのです。
しかし、娘のちくわが、ぬいぐるみの犬に対する扱いが雑な時があるので、虐待してしまうのではと心配して、動物は飼っていません。
また、人間より短命で別れが辛すぎますので、それにちくわが耐えられるか不安です。
ちくわの祖父が亡くなったときは、意外と平気でしたが(-_-;)
犬に限らず、動物と触れ合うことで癒される体験をしている方も多いと思います。
そう、アニマルセラピーですね。
家にはペットはいませんが、ちくわは、ホースセラピーに通っています。
アニマルセラピーには、3つの形態があるそうです。
①動物介在活動(AAA)→動物とのふれあいを通じた生活の質の向上を目的
②動物介在療法(AAT)→医療従事者が治療の補助として用いる
③動物介在教育(AAE)→命の大切さを子供たちに学んでもらうための活動
ペットは、①動物介在活動で、
ホースセラピーは、②動物介在療法ですね!
そこで、ペットを飼うことで、ちづる の母が期待したことを推測します。
①対人関係の改善→動物との接触を通して、人に対しての接し方を習得。
②動物の行動の学習→動物を驚かさないように接することで、安定した情緒を習得。
③責任の学習→餌や散歩を通して、お世話をするという責任を習得。
④感覚の学習→力のコントロールや感覚過敏について知る。
私は、中学生の時に保護センターから引き取った雑種の犬を飼った経験があります。
その犬は、人間不信になっていたので、心を開くまでに時間が掛かりました。
心を開いて懐いてくれると、とても嬉しかったのを記憶しています。
私が学校から自宅に戻ると、いつも尻尾を振って喜んでくれました。
15歳くらいで病気で死んでしまった時は、非常に悲しかったです。
↓ 当時、飼っていた犬の写真です。写真を見ただけで泣けてきます。
ちくわの様子とタイミングをみて、いつか、また飼いたいです。
まとめ
今回は、ドキュメンタリー映画のちづるをご紹介しました。
この映画の中の、ちづる の母の言葉に共感することが多かったです。
顔出しでリアルな感情が表現されていて、すごいと思いました。
また、揺れ動く母の気持ちにも共感できました。
家族のぶつかり合いは、実際の映像だからこそ、強く印象に残りました。
一言で発達障害や自閉症と言っても、千差万別で一括りにはできません。
一人一人に、かけがえのないストーリーがあります。
もしよかったら、ご視聴されてみては、いかがでしょうか。